先日の新聞記事に、東京慈恵会医大で寄生虫の卵を飲んで免疫を変化させる治療法の
試験を始めるという記事がありました。
寄生虫によって免疫システムの調整が行われ、皮膚病や潰瘍性大腸炎への効果が期待できる
ということです。
担当教授によると、「寄生虫との共存が本来のかたち」と言われています。
実は前々から個人的に寄生虫治療はすごく興味があり期待しています。
数年前に東京都鍼灸師会で行われた「カイチュウ先生」こと藤田紘一郎先生の講演を
聴きに行きました。
藤田先生によると、日本でアトピーや喘息、食物アレルギー、花粉症などが増えてきた時期と
虫下しでカイチュウやギョウチュウを駆除してお腹に寄生虫を持たなくなった時期が
ぴったり重なるそうです。
藤田先生は途上国で公衆衛生を研究されていた時に、途上国の人は衛生状態が悪いのに
お肌ツルツル、花粉症などアレルギーがないことに驚いたそうです。
寄生虫は宿主である人間が弱ったり、死んでしまったりすると寄生虫自身も死んでしまうため
うまく人間と共存していかなければなりません。
共存していくためには、人間の免疫機能を過剰に反応させては困るので
うまく免疫機能を調整していくように進化しています。
それゆえに、免疫能の過剰反応が原因の疾患であるアトピー性皮膚炎、喘息、花粉症、潰瘍性大腸炎など
に寄生虫が大変効果的であるとおっしゃっていました。
話を聞いた当時からなるほどと合点がいき、早速著書を読んでみました。
藤田先生自身もずっと寄生虫をお腹に飼っていてお肌ツルツル、花粉症知らずということです。
現代は人類史上これまでにないくらい清潔な時代となりました。
しかし、本来共存関係にある寄生虫や常在菌まで追い出してしまっては
宿主である人間に悪い虫がついて繁殖し、やがて滅ぼす方向に向かうことでしょう。
辛いアレルギー症状に悩んでいる方は、寄生虫をお腹の中でペットのように可愛がってみては
いかがでしょうか。