パレスチナのガンジー講演会

いつもお世話になっている「ゆっくり小学校」用務員上野宗則さん主催の

「壁を越え、いこうよ」を明治学院大学に聴きにいきました。

 

スピーカーはパレスチナで非暴力運動をしているサミ・アワドさん、パレスチナでオーガニック農園を

しているサアドさん、明治学院大学教授の辻信一さんです。

 

まずはオーガニック農園のサアドさんのお話。

人と大地の関係が良くならない限り人と人が仲良くできるはずがないと、

農薬で大地が汚染され作物が育たなくなり砂漠化してしまったところにもう一度

農園を!と活動を始めました。

ロシアで近代農法を学んできた方ですが、砂漠化の原因は農薬にあると気づき

雨の少ないパレスチナに適した昔ながらの農法で大地を耕し始めました。

 

しかし、農民、政府、学者は皆、サアドさんのやり方を批判し耳を傾けてくれません。

 

そんな中サアドさんに希望を与えたのは子供達と女性達でした。

 

初めてオーガニック農法を取り入れてくれたのは女性で、その女性は今ではオーガニック農法の

伝道者になっています。

 

こうして子供や女性が賛同し、次第いに農民も取り入れ、ついには政府、学者達も動かしました。

 

サアドさんの夢は人類の農耕の始まりであるこの地にもう一度肥沃な大地を取り戻すことです。

 

彼の小さな一歩が今大きなうねりとなり砂漠化を食い止めています。

 

砂漠化するとそこは耕作放棄地となり、そこへ待ってましたとばかりに

イスラエルが壁を作り入植してきます。

その最前線でサアドさんは活動しています。

 

 

サアドさんと辻先生

お次はサミさん。

サミさんはイスラエルへの憎しみを捨てて独立運動をする非暴力運動家です。

サミさんはパレスチナ、イスラエル問題で3つの誤解があるといいます。

 

1 何千年も両国は対立してきた。→ここ100年の間の争いであり、それ以前は戦争はなかった。

 

2 宗教対立が原因だ。→ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり3つの習慣は

  平和的に共存している。

 

3 パレスチナ・イスラエル双方の日常は戦争状態にある。

  パレスチナにも音楽があり、芸術があり、人々の平和的な日常もある。

  イスラエルにも同じことが言える。

 

ではパレスチナやイスラエルの人々に「この戦争は終わる可能性があるか」と

問えば95パーセントの人は終わらないと答える。

 

それはなぜか。

ユダヤ人はホロコーストを含め何千年も迫害されてきて、その過去の記憶がトラウマとなり

恐怖や不信の感情から抜け出せない。

だから強大な軍事力でパレスチナを含む周辺国と対立している。

 

今は勝っているように見えるパレスチナも、サミさんの目からみると「かわいそうだ」と見える。

 

 

恐怖ゆえに物理的な壁を、心の壁を作ってしまう。

 

ではこの戦争を終わらせる希望は何かと言うと

 

それは今現在行っている我々の行動、意思決定は過去の教育、歴史、環境、記憶から行われるが、

そうではなく現在の行動と意思決定を未来のビジョンから決定する思考に

変えることで過去の恐怖やトラウマから抜け出した行動と意思決定がなされる、つまり

まだ経験したこともないけど平和というビジョンに基づいて行動すれば平和は成し得る、とサミさんは言う。

僕らもより良いビジョンから行動し意思決定すばきっと様々な難問も解決することができるのではないか

と希望を持った。

 

寿司と酒をこよなく愛するサミさん。

笑顔が素敵です。

彼らのビジョンから僕もいっぱい刺激を受けました。

 

いつかパレスチナに行ってみたい!!

 

良い機会を上野さんいつもありがとうございます!